東京高等裁判所 昭和29年(ネ)2104号 判決
確認の利益につき案ずるに、前記賃貸借関係は債権関係であり、かつ、対抗力を具えていないのであるから、その当事者でない第三者に対しては、被控訴人らは前記賃貸借関係に基く権利を主張し得ないものであつて、従つて第三者に対しては、前記賃貸借関係の確認を求める利益がないように考えられるが、債権関係といえども第三者においてこれを侵害し得るものでありこの侵害に対してはたとえ債権関係といえども保護せられなければならないことは法律上当然のことであつて、債権関係が確認されれば従来その存在を争う者はこれを認めて爾後これを侵害しないことは当然予想されるところであるから、いやしくも本件における如く控訴人において被控訴人らの貸借権の存否を争い自ら桐ケ谷熊太郎の借地権による占有者であることを主張する限り控訴人との間においてその権利の確認を求めるべき正当の利益があるものというべきである。
(岡咲 伊藤 脇屋)